「伝えたつもり」じゃ伝わらない ─ 新人エンジニアが指示する側に立って気づいた“伝える力”の重要性

挑戦する新人エンジニアの軌跡

こんにちは、2025年4月からIT業界で働くことになった新人エンジニアです。

今回は、私たちの新オフィス改築プロジェクトの一環として取り組んだ、敷地内の『伐根(ばっこん)』についてレポートします。
私たちは現在、北海道幕別町にある元寿司店の建物を活用し、地元の魅力を活かした形で新たな拠点を立ち上げています。単なるオフィスリノベーションではなく、地域とのつながりを意識した再生プロジェクトとして位置づけており、建物はカフェ機能を併設した“開かれたオフィス”として生まれ変わろうとしています。
このプロジェクトの中で、地元の高校生たちと一緒に、花壇に残る木の『伐根』に挑戦しました。

この記事では、当日の様子だけでなく、私が「指示を出す側」に立って学んだことについてもお伝えします。

伐根の様子

そもそも「伐根」とは?

「伐根」という言葉に馴染みのない方のために、簡単に説明しておきます。

伐根(ばっこん)とは、樹木を伐採した後に残る切り株や根を、地面から完全に掘り起こして取り除く作業のこと。

今回は、花壇に生えていた松の木を、根ごと撤去することにチャレンジしました。

実際の伐根

伐根には私と高校生3人の計4人で取り組み、約2時間かけて完了しました。最初に幹や枝をのこぎりで切り落とし、その後スコップで土を掘りながら、地中に張った根を少しずつ取り除いていきました。

率直に言って、かなりの重労働でした。根は深く複雑に伸びており、どこまで掘っても終わりが見えず、心が折れそうになる場面もありました。それでも、高校生たちと声を掛け合いながら、最後までやり切ることができました。

普段の業務では味わえない達成感を感じ、肉体的にはきつかったですが、とても良い経験ができました。

実際に指示を出す立場になって感じたこと

今回の伐根では、私が高校生たちに指示を出す役割を担いました。普段は先輩から指示を受ける立場なので、これは初めての経験です。

指示を伝える時には、「何をするか」だけでなく「なぜするか」も必要

今回の経験を通して、「やるべきこと」だけでなく、「それをなぜやるのか」という目的や意図まで伝えなければ、正しく行動してもらうことは難しいと実感しました。

私は当初、「花壇の松の木を伐根してほしい」とだけ伝えました。すると、高校生の一人は土を掘ってから、根を切ろうとしました。

しかし、本来の目的は「根をすべて取り除いて、再び生えてこないようにすること」です。根を一部残してしまうと、そこから再び芽が出る可能性があります。

こうしたズレが起きたのは、手順を指示するだけで、「この伐根は何のためにやるのか」という背景を伝えていなかったからです。

目的を共有しないまま業務を進めてしまうと、今回のように結果がまったく変わってしまうことがあります。相手の理解度や前提知識に合わせて、どこまで説明するかを調整することは、チームで仕事を進める上で非常に大切だと感じました。

エンジニアとしてこの経験をどう活かすか

今回、高校生に指示を出す立場を初めて経験し、「伝え方」の重要性を強く実感しました。

今回のように、ただやり方を伝えるだけでは不十分であり、「何のためにそれをするのか」という背景や意図まで丁寧に伝える必要があるということです。そうすることで、相手も判断や対応がしやすくなり、目指す結果にブレなく到達できます。

また、相手によって理解度や前提知識は異なるため、伝える内容の範囲や深さは調整が必要です。すべてを細かく説明するのではなく、必要な情報を適切に届けることが、円滑な連携につながると感じました。

エンジニアとしてチームで動くうえでも、こうした「伝える力」は非常に重要です。今後はこの経験を活かし、日常のコミュニケーションでも「なぜそれをするのか」という目的や背景を丁寧に伝えることを意識していきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また、次回の記事も読んでいただけると嬉しいです。

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